異種抗体配合剤


リツキシマブ(商品名 リツキサン)、抗がん剤では世界トップの売上高です。
(2010年度 売上高 78億ドル 世界の大型医薬品売上高ランキング2010 セジデム・ストラテジックデータ㈱調べ 2011年8月2日)。

いわゆる「新しい抗がん剤」としてその効果を期待されている、分子標的薬と呼ばれる分類の薬剤です。
どのような薬剤であるのか、インタビューフォームにヒントとなる記載がありました。

 

製品の特徴及び有用性
造血器腫瘍の治療薬として開発された世界初のマウス-ヒトキメラ型抗CD20モノクローナル抗体である。
*CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
(1頁)

1. 薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
モノクローナル抗体

2. 薬理作用
(1) 作用部位・作用機序
抗CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブは、Bリンパ球表面に発現するCD20抗原に特異的に結合した後、補体依存性細胞傷害作用及び抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用により効果を発現する。
(15頁)


抗悪性腫瘍剤 処方せん医薬品
リツキサン(医薬品名 リツキシマブ)
インタビューフォーム 2010年10月 改訂 第12版
製造販売元 全薬工業㈱
販売元 中外製薬㈱
※一部省略して引用


難解な文章ですが複数の資料を参考にし、これがどのような物質であるのか調べてみました。
キーワードは、


B細胞、CD20とは、


B細胞は高度に分化した免疫システムである獲得免疫を担う免疫担当細胞である
CD20はB細胞に特異的に発現している表面分子のひとつで...


『抗CD20抗体がB細胞を除去する分子機構について』
日本臨床免疫学会会誌(2009 Vol.32 No.1) 29頁


正常なB細胞は免疫細胞として機能しますが、B細胞の一部が腫瘍化したものが、B細胞性非ホジキンリンパ腫とされています。
CD20はB細胞の表面に存在する物質とされています。
抗体、抗原とは、

 

抗体(免疫グロブリン)とは、B細胞が産生する糖タンパク分子で、体内に侵入してきた細菌やウィルスなどの微生物や微生物に感染したり細胞を抗原として認識し結合する働きがあります 。
抗原と結合した複合体は、白血球やマクロファージといった食細胞に認識・貪食されたリンパ球などの免疫細胞と結合して免疫反応を引き起すといったようなヒトや動物の感染防御機構において重要な役割を担っています


『抗体作製ハンドブック』 1頁
大日本住友製薬グループ
DSファーマバイオメディカル株式会社
ABM-1/0809 MA1000


リツキサンはCD20抗原を標的として結合し、B細胞性腫瘍を傷害する事により、抗腫瘍効果を得ようとする薬剤とされています(前出 リツキサン インタビューフォーム 15頁 薬理作用)。

CD20抗原を標的とする抗体は、動物から得ています。

 

本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される
(1頁)

【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)   
本質:ヒトBリンパ球表面に存在する分化抗原CD20(リンタ ンパク質)に結合するモノクローナル抗体で、CD20抗原の認識部位(可変部領域)がマウス由来、それ以外の部分(定常部領域)がヒト由来(IgG1 κ)のマウス-ヒトキメラ型抗体であり、1,328個のアミノ酸から構成されている。
(5頁)


抗悪性腫瘍剤 処方せん医薬品
リツキサン(医薬品名 リツキシマブ)
添付文書 2010年9月 改訂 第15版
製造販売元 全薬工業㈱
販売元 中外製薬㈱

 

マウスから得た抗体を、ヒトの抗体の一部と置換したものが、マウス-ヒトキメラ型抗体とされています。

モノクローナル抗体とは、

 

特定の種類の細胞(がんまたはその他の疾患に関与する細胞など)を標的にするように遺伝子学的に作成されたたんぱく質の一種。


『ゼヴァリンによるRI(アイソトープ)標識抗体療法を受ける患者さんやご家族の方へ』
マッキャンヘルスケアワールドワイドジャパン 2008年7月

 

リツキサンはチャイニーズハムスターから得た抗体を有する、マウスモノクローナル抗体です。


なお、リツキサンがB細胞を的確に傷害する薬剤だとするなら、正常なB細胞も傷害される事になります。
当然、発癌リスクも懸念されるべきですが、添付文書には関連する記載が見当たりません。
インタビューフォームには、発癌性試験に関する記載がありました。

 

変異原性
本剤は、本質的にタンパク製剤であり、細胞膜を通過しDNA 又は他の染色体成分に直接作用しないと考えられることから、変異原性試験は実施していない。

がん原性
本剤は、化学構造及び薬理作用から、がん原性は予測されないことから、がん原性試験は実施していない。
(91頁)


同一成分・同効薬
同一成分薬:なし
同効品:なし
(93頁)


抗悪性腫瘍剤 処方せん医薬品
リツキサン(医薬品名 リツキシマブ)
インタビューフォーム 2010年10月 改訂 第12版
製造販売元 全薬工業㈱
販売元 中外製薬㈱

 

「考え」や「予測」は、外れる事があります。
結果が陰性であるとの確信があれば、それは試験の実施によって証明すべきでしょう。
また、仮に変異原性、がん原生が陰性であっても、前述したように発癌を促進する作用(プロモーション作用)を有している可能性があります。

 

本剤の初回投与中又は投与開始後24時間以内に多くあらわれるinfusion reaction(症状:発熱、悪寒、悪心、頭痛、疼痛、そう痒、発疹、咳、虚脱感、血管浮腫等)が約90%の患者において報告されている。
(42頁)

...infusion reaction で重篤な状態に至った症例について、症状発現時に血中TNF-αIL-6 等のサイトカイン濃度が上昇していたことが報告されていることから、サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome)と記載している。
(30頁)


同 リツキサン インタビューフォーム

 

infusion reaction は、抗体医薬でみられる特有の副作用とされています。
そして、infusion reaction 発現時に放出されていたという、「TNF-α」、「IL-6」は、前述したように炎症性サイトカインであり、プロモーション作用を有すると考えられています。
リツキサンの少量連日投与は、炎症性サイトカインの産生を誘導し続ける可能性があります。
発癌リスクの回避を望む患者さんを思いやるなら、リツキサンは発癌プロモーターなのか、検証が必要です。


製薬会社はリツキサンの中期発がん性試験を実施しなさい!
( -д-)ノ ヨソクデスマセルナー

医師はリツキサンの発癌リスクを患者に説明しなさい!
o(*≧д≦)o

 


腫瘍促進因子放射性物質配合剤